第22回人間らしく働くための九州セミナー in 宮崎

九州セミナー

質・量ともに大成功裏に終えた宮崎セミナー

11月5日・6日宮崎市民プラザに於いて22回目となる「人間らしく働くための九州セミナー」が開催された。九州各地から600名が参加をした。
今年は北九州セミナーで取り上げたサブ企画「子どもの貧困」をメイン企画として開催された。

子どもの貧困解決のための社会的投資

1日目のディスカッション

1日目のディスカッション

記念講演は山野良一先生(千葉明徳短期大学教授)が「この国の貧困と子どもたちの未来」というテーマで講演をされた。講演ではさまざまな調査結果から虐待やネグレット、不健康、親の長時間労働などが貧困に絡んでいること、虐待があった家庭の夫婦間の不和や育児疲れも貧困問題に影響を与えていることを紹介し、ひとり親家庭の貧困率が高く「日本は子どもに対してお金を使っていない国だ」と批判した。

子どもの貧困をなくすために国が投資することで将来の社会保障費削減を図る「子ども貧困法」を導入したイギリスの取り組みを紹介し、子どもの貧困解決には社会投資的視点が必要であり、社会全体で考えて行かなければならないと話されていた。

引き続くパネルディスカッションでは、宮崎での子ども貧困の現状と背景を討論し、貧困をなくしていくためには私たち大人の働き方・働かされ方を変えて行くことが重要であることを再認識した。

大災害の中でどう健康を守るか

2011年3月11日、東日本地域に未曾有の被害をもたらした東日本大震災。また、現地宮崎では口蹄疫や鳥インフルエンザの拡大、新燃岳の噴火と県民の生活に大きな影響を与えた一年であった。このような大災害の中で働くひとびとの健康の問題を真正面から捉えようと、特別企画シンポ「大災害の中で働く人びとの健康をどう守るか」が二日目に行われた。口蹄疫の防疫手法(家畜の殺処分)に携わった労働者や獣医が、心身とも傷つきながら処置を行っていた現状を聞き、聞いている方も心が痛んだ。災害時には最前線で取材し、情報を国民に知らせているマスコミ労働者。多くの犠牲者を出した雲仙普賢岳の火砕流、その教訓から宮崎日日新聞社では「避難勧告地域には入るな」と指示が出ていた。

「現場ではまだ前にいけるのでは・・・他社も行っているのだから大丈夫では・・」という声が出されていたが、「一人の犠牲者も出さない」という社の方針の基に取材を続けていたと。

瓦礫処理にあたっては、放射能の汚染に関しては関心が高いが、アスベストへの関心が薄い現状があり、作業時に粉塵を吸入しないような対策が必要であり、電動ファン付きマスクの使用が有効であると。予防という観点からは安価で手に入りやすくする必要がある。

日常的な安全教育が重要だということを再認識した。

災害現場では被災者、現場で働く労働者、支援者もメンタルヘルスへの影響が大きく、メンタルサポートはチームでの支援が重要である。

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